サブタイトル:摩耗する理性と、二度目の過ち
「さあ、スタート」
僕のその一言で、世界は再び「00:00」から動き出した。 彼女の瞳から表情が消えている。 さっきまで積み上げた28分間。その忍耐も、努力も、すべてが無に帰した徒労感。それが彼女の心を重く押し潰していた。
今の彼女にとって、30分という時間は、永遠にも等しい長さに感じられているはずだ。
第一章:覚醒した感覚
二度目のゲームは、最初とは条件が違っていた。 彼女の身体は、先ほどの28分間の寸止めによって、完全に開ききっている。 神経の一本一本が剥き出しになったかのように、わずかな刺激にも過剰に反応してしまう。
僕は再び、深く繋がったまま、静止する。 「……っ、……ぅ……」 開始からわずか5分。彼女の目の表情が乱れ始めた。
さっきの最初の10分は余裕があった。けれど今は、僕が奥にいるだけで、それが快楽の波となって彼女を襲っている。 熱い。硬い。気持ちいい。たぶん2回腰をひねるだけで達してしまう。また「リセット」される恐怖が、彼女の腰を押し留める。
第二章:視線の支配
「目は逸らさない。約束だよね?」
ひっしで耐える表情がすごくかわいい。自分の表情が乱れていることはよくわかっていて、それがまた恥ずかしそう。
潤んだ瞳で必死に僕を見つめ返す。 その表情には、もはやアスリートとしての勝気さは微塵もない。あるのは、ただ「許し」必死に堪える色だけだ。
僕はニコニコしながら、彼女のその変化をじっとひたすらに観察する。 すこし顔に唇を寄せるだけで「またキスされるかもしれない」「また耳を舐められるかもしれない」 そんな予感と恐怖が、実際の刺激以上に彼女を追い詰めていく。
(動いちゃだめ、動いちゃだめ……) 彼女の心の声が聞こえてくるようだ。 シーツを握りしめる彼女の手は白く鬱血し、全身には緊張と興奮が張り詰めている。そして、奥は、必然的に強く締まっていく。
第三章:幻影の愛撫
15分経過。 折り返し地点だ。
僕は、あえて何もしない。 ただ、彼女の耳元に顔を寄せ、今度は長くゆるく吐息を吸う。吹きかけるよりずっと冷たい空気が彼女の耳をくすぐる。
「ひっ……!」 彼女が過敏に反応する。 彼女の脳は「また舐められる」と錯覚し、身体が勝手に身構え、そして反応してしまった。
僕と接している部分が、ドクン、ドクンと激しく脈打ち、僕を強く締め付けたままねじれる。「あ、……ちが、……ごめんなさ……」 彼女はパニックになりかけている。 自分の身体が、自分の意思を裏切って、快楽を求めて暴走しようとしているのだ。
「奥が締まるのは、腰が動いたわけじゃないから大丈夫だよ」そう言って、身体の重みで彼女の奥に押し付ける。無慈悲に、彼女の奥は彼女の意思と関係なく強く締まる。
第四章:崩壊へのカウントダウン
20分。 彼女の表情が崩れた。 我慢の限界を超えた快感が、脳髄を焼き尽くそうとしている。 瞳の焦点が定まらず、口からは荒い呼吸と共に、甘い嗚咽が漏れ続ける。
「あ……うぅ……、もう、……むり、です……」 「無理でいいの?本当にまた堕ちるの?もう本当に無理なの?」
もう、彼女の太ももの筋肉が痙攣し、腰が小刻みに震えている。動かそうとしているのではない。耐えようとするあまり、制御が効かなくなっているのだ。
不意に、彼女の視線が僕から外れた。奥に当たっているだけで、耐えきれず、絶頂に達してしまったのだ。どんなに我慢しても全身がビクビクして腰も震える。
支えを失った腰が、グラリと揺れ――全身の痙攣のような波が止まらない。
「あーあ。いっちゃうと、腰も動くよね」
彼女は僕の目を見つめながら、自分の締付けだけで絶頂に達した恥ずかしさと、イキ顔を見せている恥ずかしさを噛み締める。
30秒は波が止まらない。
「そのまま目をそらすな!イってる間、ずっと見てなさい」
次の30分が耐えられるはずがない。
次の30分は、自分一人で締め付けてイク訓練になる。






